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『静かなるマニ石』 ふたたび (東洋文庫で)
3月23日に東洋文庫ミュージアムで開催中の「仏教−アジアをつなぐダイナミズム」展の関連イベントとして行われたチベット映画『静かなるマニ石』の上映会に行ってきました。すでに、昨年の12月の渋谷で、ペマ・ツェテン監督の映画祭で拝見していたので遠慮していたのですが、やはりまたあの世界を味わいたくて、上映会直前に申し込みました。後で聞くと、キャンセル待ちだったそうで、観られなかった方すみません。

上映前に、字幕をつけられた東京外国語大学の星泉先生による解説がありました。それが良くて、チベットの文化を知ってから時間がたち、なじんでしまっていて、チベットのことを紹介するときに、つい説明不足になってしまうのを反省するとともに、参考にさせていただきたいと思いました。そして、解説のパワーポイントのイラストがとても素敵で、解説をより楽しいものにしていました。そこで使われていたかわいらしい正月菓子、マニ車、マニ石、放生、化身ラマなどのイラストは、(映画祭でいただいた)『チベット文学と映画制作の現在 SERNYA』(以下セルニャ)で評判だった蔵西さんのイラストでした。ペマ・ツェテン監督もお気に入りで、映画祭の合間にイラストを携帯で撮影しているのを目撃しました。
(カワチェンででも、こんどチベットのものをぜひ何か描いていただけないかなと考えています。)

『静かなるマニ石』は、とても大好きな映画で、2011年に東京フィルメックスの後に東京外国語大学で行っていただいた、監督の映画の上映会と、昨年のペマ・ツェテン映画祭と、何度も拝見させていただいているのですが、観るたびに違う発見があります。
昨年の映画祭か外語大での上映のときにお聞きした話だと思うのですが、チベット人留学生の方からの感想で、チベットにいるときは、あたりまえすぎる世界で、これがどうして映画になるのかと思ったが、離れてみて、かけがえのない世界だったということを痛感したというようなお話があったかと思います(うろ覚えなので正確でないかもしれません)。まさにチベットにいるときに感じる空気をそのまま感じられます。でも、それも感じるではなく、感じられたになってきているのかもしれません。映画の中でも、少年をお寺に入れているのは彼の家だけ、最後のマニ石彫りという話がさりげなく出てきていました。

(高僧の生まれ変わりの)活仏と少年僧の関係、少年僧と先生の関係、家の中での祖父や親とのやりとり、知人がなくなった時の会話などなど、チベットがいっぱいつまった映画です。ティメークンデンの物語を演じている最中の兄におこずかいをねだるあたり、いかにもありそうな風景です。また、VCD(ビデオCD)をあまり観られなくて、VCDのケースだけもらうというシーンも印象的でした。

そしてまた、以前拝見したときには見逃していたのですがセルニャの「くらにしの目」に出てきた「DVDをもって走る走るシーン」も今回印象に残ったのですが、さらにその前後で、仏塔の横を走ってのぼるシーンは、仏塔を右手に走り、走って降りてくるとき、仏塔の反対側を仏塔を右手に走って降りてきているのに気が付きました。

『静かなるマニ石』、ぜひ1人でも多くの人に観ていただきたいです。また、ぜひ、DVD化して欲しいと思います。昨年11月に撮影が終わり、現在編集中(?)のペマ・ツェテン監督の新作『五色の矢』が日本でも上映され、その関連で他の作品のDVDもあわせ、DVD化実現という流れで実現しないかな〜。(M)

(蔵西さんによるチベットが舞台の『流転のテルマ』の連載がマンガボックス(https://www.mangabox.me/)ではじまっています。チベット好きにはたまらない、チベットをあまり知らない人にも関心を持ってもらえそうな舞台設定と魅力的な登場人物たちです。これについては、また書かせていただきたいと思います。)
author:kawachen, category:チベット関連イベント, 02:22
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